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ネックと指板について
おはようございます。
たけのこ楽器の中瀬です。
今日はネックと指板について書きたいと思います。
ベースのネックはギター以上に強度が必要になるのですが
基本的にはギターと同じ木材が使われています。
フェンダー社でプレシジョンベースが作られたときは
メイプル材をネックに使用しました。
今でも多くのギターやベースでメイプル材が使われています。
メイプル材は密度が高く強度があり重い材木になります。
もともとネックは1本の木から削りだされた物が多かったが
複数の板を貼り合わせて作られているネックもあります。
複数の木材を貼り合わせることで各木材のズレを相殺し
安定性の高いネックになる効果もあります。
指版は最初のプレシジョンベースには貼られておらず
メイプルのみで作られていました。
その後ローズウッドの指板を貼るようになりました。
最初は現在ではワシントン条約で規制されているブラジリアンローズウッド(ハカランダ)を
使用していましたが60年代半ばにインディアンローズウッドに変更されていきました。
1962年から80年代初頭までフェンダーはネックと指板の接着面を
指版のアールと同じ曲面に加工して貼り合わせています。
これはネック材と指板材の膨張率、収縮率の違いにより生じる狂いを
抑える為の技術です。
1967年からはこの方法でメイプルを指板材として貼ったネックを用意しました。
そしてローズウッド指版とメイプル指版を選択できるようになっていきました。
ローズウッドは一時期ワシントン条約により輸出が厳しく規制されていました。
2019年からは楽器などに使われているローズウッドに関しては輸出できるようになりましたが
依然としてブラジリアンローズウッド(ハカランダ)に関しては厳しい規制がかけられています。
その中で注目されるのが他の木材からローズウッドやエボニーなどの素材を作り出す技術です。
以前は合成樹脂を使用した指版が使用されていましたが現在では他の木材からローズウッドやエボニーの
ような素材を作り出す事をしています。
原材料が木材なので本物と非常に区別がつきにくく品質は高いといえます。
このまま開発が進んでいけば本物と感触も音も同じローズウッドやエボニーが得られる可能性は
非常に高いです。科学技術の発展に期待しましょう。
それでは今日はこの辺で。
良い1日をお過ごしください。
チューニングペグについて
おはようございます。
たけのこ楽器の中瀬です。
今日はチューニングペグについて書きたいと思います。
チューニングペグは弦を引っ張って正しい音程に合わせその音程をキープすることです。
ペグはウォームギア+ウォームホイールという方式を採用しています。
手で回すシャフトについているネジの部分がウォームギア
弦をまくポストについている歯車がウォームホイールです。
ウォームギア1回転でウォームホイールの歯が1つ分回るのでギア比が大きく取れ
小さい力で弦をまく事が出来ます。
逆にウォームホイールの方を回そうとしても回らないので
1度決めたチューニングが崩れにくい構造になっています。
弦を巻き付けるポストの形状ですが下に行くほど細くなっていると
自然と弦が下の方に巻かれていきます。
しかしフェンダータイプのヘッドではポストが寸胴で細くなっていないので
弦を下に押し付けないと下の方に巻くことは出来ないです。
ミュージックマンに採用されているポストは下に行くほど細身になっているので
自然に下に巻かれていく。とても理想的なポストです。
現在ではヘッド落ち防止のために軽量ペグが売られている。
ペグが小型化されたものやジュラルミンやアルミなどの軽量の素材を使い
各社軽量化している。
ヘッド落ちが気になるユーザーは軽量ペグに交換することをオススメします。
逆に音質の改善や響きを豊かにしたいユーザーは重ためのペグを付けることをオススメします。
基本的に金属パーツは重たいほど響きが豊かになるので
音質改善が期待出来ます。
私はメインのベースにGOTOHのGB2を使用しています。
重ためのペグになりますがチューニングも安定しているし
響きも豊かになりとても良いカスタムになりました。
それでは読んでくださってありがとうございます。
フレットとブリッジについて
こんにちは!
たけのこ楽器の中瀬です。
先週からベースの事を書いていますが今回はフレットとブリッジについて
書きたいと思います。
コントラバスからエレキベースになったときの大きな変化の1つとして
指版にフレットが付いた事が上げられます。
フレットが無いと演奏するときのハードルが上がるのですが
フレットが付いたことによって初級者にとっても始めやすい楽器になりました。
フレットが付いたことによって弾きやすくなったのですが
別の問題が起きてきます。
指で弦を押さえる時に弦を下に引っ張ります。
その時に音程がシャープするのですがフレットレスだと押さえる位置の微調整で
音程を合わせる事が可能です。
しかしフレットがあるとその微調整が出来ません。
どうやってこの問題を解決したかというと
ブリッジの部分で各弦の弦長をシャープする分長くすることで解決しました。
この調整を「オクターブ調整」と言います。
ブリッジですが初期のベースはサステインが求められておらず
ウッドベースのように短くボンッボンッと鳴ればよかったので
薄く軽いブリッジが使われていました。
60年代からロックミュージックが流行り始めベースに求めれられる音色も
変化していきました。
サステインが重視されディストーションなども使用され始めたため
音色のブライトさが必要になってきました。
そのために重量が重たいブリッジが使用されるようになりました。
基本的にブリッジは重量が重たいほど倍音が豊かになります。
80年代以降はヴィンテージブームもあり軽いブリッジを再評価するブームがきました。
フェンダー社もモデルによって重たいブリッジと軽いブリッジを使い分け
どちらの需要にも対応していました。
今ではほとんど見ることはないですがギターのように
トレモロが付いたブリッジなどもありました。
現在ではトレモロ付きのブリッジは製造されていないので
欲しい方は見つけ次第ゲットしないと次は無いかもしれないですね。
それでは本日はこの辺で。
エレキベースの誕生について
おはようございます。
たけのこ楽器の中瀬です。
今日はエレキベースの誕生について書きたいと思います。
まずエレキベースが誕生前はコントラバスが音楽における低音部を担っていました。
そのコントラバスに代わるものとして1951年に開発されたのが
フェンダーのプレシジョンベースになります。
外見なんですが今のプレシジョンベースとは少し違って
今でいうOPBの形状で開発されました。
コントラバスでは楽器が大きすぎるので床に立てて演奏するスタイルでしたが
エレキベースでは皆さんご存じの通りギターのように横向きで演奏するスタイルになりました。
コントラバスでは弦長が1000mm超えるものがほとんどでしたが
エレキベースでは34インチ(863.6mm)に落ち着きました。
他に30インチ(762mm)のショートスケール
多弦ベースやダウンチューニング向けの35インチ(889mm)36インチ(914.4mm)のスーパーロングスケール
などもありますが34インチのベースが今も主流になっています。
34インチの物を一般的にロングスケールと呼んでいます。
このように最初にエレキベースを開発したフェンダーの規格が今のスタンダードになっています。
日本では現在もフェンダーのベースのコピーモデルが人気を博しており
フェンダー社の影響力というのは物凄いものがあることがうかがえます。
やはり一番最初に開発したブランドの影響力というのは
どのジャンルでも絶大ですがエレキベースの世界でも例外ではないようです。
それでは今週も音楽ライフをお楽しみください。
日本の老舗ブランドAria ProⅡ
おはようございます。
たけのこ楽器の中瀬です。
今回は日本の老舗ブランドAria ProⅡについて書いていきたいと思います。
Aria ProⅡは日本の老舗ブランドで荒井貿易という会社のブランドです。
1960年代にAriaという名前で立ち上げ70年代に現在のAria ProⅡという名称に変更されています。
当時はマツモク工業でOEM生産をしていました。
Aria ProⅡのギターやベースは徐々に評価を上げていきプロミュージシャンやアマチュアプレイヤーの間で
使用されるようになりました。
価格帯としてはエントリーモデルを多く製造していました。
現在はAria ProⅡの上位ブランドにAPⅡというブランドが出来ましてユーザーの住み分けをしています。
僕もギターをAria ProⅡのギターMACシリーズを1本持っているんですが
とても弾きやすくてエントリーモデルとしてはこれ以上の物はなかなか無いんじゃないかなと思っています。
シャープなヘッドと少し小ぶりなディンキーボディが体にフィットしてくれるので
弾いていて安定感もありますね。
ヘッドが小ぶりなのでヘッド落ちなども少なくバランスが良い個体が多いです。
皆さんもAria ProⅡを見かけたら1度弾いてみてはいかがでしょうか。